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東京臨海病院 顧問 山本保博の救急災害対応コラム
救急車の呼び方やAEDの使用法、地震などへの対応をコラムでご紹介しています。
第3回 熱中症の予防について

熱中症とは、熱にあたる(中たる)という意味ですが、温度だけでなく、強い日差し(日射)や湿度も影響します。高齢者と子供が熱に弱く、また、急に暑くなる日に起こりやすいのです。

屋外では、直射日光を避けて、服装を工夫することなどがポイント。

夏のサッカー・野球や夏祭りなどの集団活動においては、休憩所を確保するなどの工夫が必要だ。前夜はアルコール厳禁、十分休養をとること。

(1)暑さ対策をする
 ●日陰を選んで歩く
 ●朝のうちに打ち水をする
 ●屋外での活動では、軒下やテントを張るなどして日陰を作る

(2)服装を工夫する
 通気性が高く、汗を吸って蒸発できるものが理想。市販の吸汗・速乾素材なども活用したい。
 ●首すじや肩がかくれるフードをつける
 ●日傘や帽子を利用する

(3)こまめに水分を補給する
 汗をかいて体温を下げるために、水分を補給することが必要
 ●体の電解質のバランスを崩さないスポーツドリングがおすすめ
 ●塩分の補給も忘れないこと。塩飴をなめるのも重要
 ●ビールをはじめ、アルコールはNG。利尿作用があるので脱水を助長させる

気温30℃以上、湿度70%以上の日は特に要注意

屋内では、温度を下げて通気に気を配る。熱帯夜は日中と同様の注意を。

熱中症の40%は屋内で起こっている。眠剤を服用する高齢者は眠る前に水分の十分な補給を。また、高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下して暑さを感じにくくなっている。

(1)室内の温度を下げる
 ●ブラインドやすだれを垂らす
 ●エアコンを上手に使う
 ●扇風機を使う(エアコンの効率UPにもつなげる)

(2)風を通す
 ●窓は風が通りやすいよう2カ所以上開ける
 ●雨が強いときは換気扇と扇風機を活用して風を作る

(3)湿度を下げる
 湿度が75%以上だと汗が蒸発しなくなる。60%未満が理想

(4)こまめに水分を補給する(スポーツドリンクがお勧め)
 屋外と同様に室内でも水分の補給は重要な要素

平成24年6月の熱中症における救急搬送状況が総務省消防庁から出された。全国における熱中症搬送は1,837人だった。
年齢分布をみると高齢者(65歳以上)が777人で42.3%と最も多く、次に成人(18歳以上65歳未満)が674人で36.7%だった。7歳から18歳までの少年が次に346人で18.8%だった。また、初診時の重症度では軽症が69.7%と最も多く重症は2.2%だった。
都道府県別人口10万人当たりの熱中症搬送人員は北が少なく南が当然多くなっており、沖縄県が最も多く6.17人で次に高知県3.79人、石川県3.68人の順だった。

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