脳卒中センター長を拝命しております藤井本晴(ふじいもとはる)です。センター長として私の使命は、患者さん皆様に標準的な医療の提供を行うことを基本方針として、その方針をチーム内で周知徹底していくとともに、治療による最大限の効果や改善を期待し、一方、合併症や後遺症については最小限に留めるべく、患者さんごとの最適な治療方針を検討していくことを旨としております。
今後も東京臨海病院脳卒中センターが患者さん皆様の身近で頼れる施設であることを念頭に運営を行っていくつもりです。どうかよろしくお願い申し上げます。
脳卒中センター長 藤井 本晴(ふじい もとはる)
東京臨海病院脳卒中センターは、2021年4月に日本脳卒中学会より一次脳卒中センターの認定を受けたことを踏まえ、2022年4月より開設しております。また同時に日本脳卒中学会認定教育施設にも指定されております。
脳卒中センターは、救急科、脳神経外科、脳神経内科で形成し、24時間365日脳血管障害の超急性期から急性期の救急診療を行い、脳卒中疾患を含む集中治療室(Intensive Care Unit :ICU)や脳卒中専門病床(Stroke Unit :SU)にて治療を行っています。
脳卒中は、脳の血管がつまる脳梗塞、脳の血管が破綻する脳出血、そして脳の動脈瘤が破れて生じるくも膜下出血などがあります。病気の内容や症状によって極めて急いで治療が必要な場合もあります。脳卒中のセンター化により初療を主に脳卒中を熟知した救急科専門医(脳神経外科専門医)が対応し、その後の緊急の治療においては脳卒中治療の経験豊富な脳神経外科医(脳卒中専門医)や脳神経内科医が対応することになります。高度な医療機器・設備の下で患者さんの病態を総合的に判断した上で適切な治療を提供していく方針にしております。
脳卒中治療においてセンター化により多職種のスタッフが一同に会したカンファレンスを定期的に行い、脳卒中に関わるすべての医療職種によりチームとして集約的な診療を行っております。
入院後は速やかに早期リハビリテーション加療の介入によりPT理学療法士/OT作業療法士/ST言語聴覚士による後遺症状残存を最小にすべく治療が施されます。さらに栄養サポートチーム(Nutrition support team、NST)、薬剤師、ソーシャルワーカーなどによる各専門職が適宜対応いたします。
日本脳卒中学会による『脳卒中治療ガイドライン2021』では、脳卒中急性期症例は、多職種で構成する脳卒中専門チームが、持続したモニター監視下で、集中的な治療と早期からのリハビリテーションを計画的かつ組織的に行うことのできる脳卒中専門病棟であるStroke Unit (SU)で治療することが勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)、とされています。
①脳梗塞急性期治療(経皮的脳血栓回収療法)
血管造影検査(右中大脳動脈閉塞)
②内頚動脈狭窄症(頚動脈ステント留置術)
高気圧酸素療法、脳卒中後痙縮治療(ボトックス治療)
当院では脳梗塞急性期治療において従来の点滴治療のみだけでなく高気圧酸素療法を行うことで、症状の改善、後遺症の軽減を行う治療が可能な施設です。また、脳卒中後後遺症の一つである痙縮に関してはボトックス治療を取り入れており、対象患者さんで治療な方には希望に応じて機能障害の軽減を行っています。
脳の健康状態を知っていただくために脳ドック健診も広く推奨しております。
対象疾患には、未破裂脳動脈瘤、無症候性脳梗塞、無症候性の微小脳出血、脳血管性認知症などがあり、病気発症前に予防的な治療介入を行うことで皆様が健やかな人生を過ごしていただけるように努めております。
ぜひ、一度脳ドック健診をご受診ください。
東京臨海病院 健康医学センター ※その他、救急科・脳神経内科医師スタッフ紹介
スタッフ
副院長
神田 大
(かんだ まさる)日本脳神経外科学会専門医・指導医
脳神経内科部長
町田 裕
(まちだ ゆたか)日本神経学会専門医・指導医
日本内科学会認定内科医
救急科部長
佐藤 秀貴
(さとう ひでたか)日本救急医学会救急科専門医・指導医
日本脳神経外科学会専門医・指導医