糖尿病と足はとても深い関係があります。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、糖尿病の合併症である神経障害によって感覚が鈍くなったり、動脈硬化などによる血流障害も起こりやすく、水虫などの感染に対する抵抗力も低下します。
靴ずれや傷、やけど、タコやウオノメなどが加わることにより、足に潰瘍などができやすくなります。さらに、血糖値が高い状態では、傷の治りを遅らせるため、一度悪くすると治りにくくなります。
そのため、糖尿病の人は足の観察やケアをしていくことがとても大切になります。
一つでもチェックがある場合は注意が必要です。
素足を明るい場所でよく観察し、傷や水虫、ヤケド、爪の変形、タコ(胼胝〈べんち〉)やウオノメなどがあれば、早めに相談しましょう。また、傷などが見えづらい場合はご家族に協力してもらいましょう。
石鹸を泡立てて優しく洗い、水分はよくふき取りましょう。乾燥する場合は、保湿クリームを塗りましょう。
靴底はクッション性があり、足全体にフィットし、つま先にスペースがあるものを選びます。靴を履くときは、靴の中に小石などが入っていないか確認しましょう。
締め付けすぎない綿かウールの素材を選びましょう。汚れや出血がわかりやすいよう色の薄いものを選ぶことをお勧めします。靴を履いていない時も靴下を履くことで、ケガの予防につながります。
深爪しないように注意しましょう。自分で切りにくい場合はご相談ください。
糖尿病で神経障害があると、温度の感覚も鈍くなり、ヤケドを起こしやすくなります。特に冬場のアンカやカイロなどでの低温ヤケドは注意が必要です。
日頃から足をよく観察し、足のケアを行うことで、足のトラブルを予防することができます。また、潰瘍・壊疽となる前に、早めに受診し治療していくことが重要です。
(参考文献:糖尿病療養指導ガイドブック 2022 日本糖尿病療養指導師認定機構 編・著
糖尿病ネットワーク 糖尿病セミナー 17.足の手入れ https://dm-net.co.jp/seminar/17/)